ベンジョノカミサマ

というのは、都筑道夫作「三重露出」にでてくるカミサマであります。この本は結構こった作りで:

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 サム・ライアンは忍術にあこがれて東京に修行にやってきたアメリカ人の青年。怪しげな先生からいい加減な忍法を教わっていたのだが、瀕死の男からとある品を託されたことから本物の女忍者一味が関わるスパイ事件に巻き込まれる。敵の忍術は本式で、くり出す忍法は奇想天外で人間業を越えるものばかり。サムは危なげながらも次々と強敵を倒しつつ謎の本質に迫って行く。これが第一の筋。
 一方で、第一の筋の『三重露出』はアメリカの作家の手による日本を舞台にしたスパイ・スリラーであって、それを翻訳している滝口はそれに登場する女性の名前が知人と一致することに奇妙な思いを抱く。その女性、沢之内より子は二年前に何者かに殺されていた。作者はそのことも犯人についても何か知っていたのではないか。滝口は作者への問い合せの返答を待ちながら、二年前の事件の洗い直しをしようとする。これが第二の筋。
 二つの筋が交互に語られていく。二段組と一段組というように紙面までもがらりと変えて。
http://homepage3.nifty.com/DS_page/tsuduki/triple.htm
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ということですが、この変なガイジンが活躍するスリラーは、アール・ノーマンの安直ペーパーバック、「キルミー(kill me)」シリーズのパロディであります。「ヨコハマで殺して」「シンバシで殺して」「ロッポンギで殺して」と、あちゃこちゃで殺しまくっていたというか、殺されまくっていたというか。

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BURNS BANNION is an American GI who stayed in Tokyo as a Karate student after World War II. He became a PI entirely by accident when he was originally mistaken for a real private investigator from California. He went on to work the "private eye bit" in a string of paperback originals written by Earl Norman in the late fifties and early sixties.

NOVELS

Kill Me in Tokyo (1958)
Kill Me in Shimbashi (1959)
Kill Me in Yokohama (1960)
Kill Me in Yoshiwara (1961)
Kill Me in Shinjunku (1961)
Kill Me in Atami (1962)
Kill Me on the Ginza (1962)
Kill Me In Yokosuka (1966)
Kill Me in Roppongi (1967)
Kill Me in Hong Kong (1976)
http://www.thrillingdetective.com/bann.html
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で、ベンジョノカミサマでありますが、仏教では、烏枢沙摩明王というのが定番になります。
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烏枢沙摩明王は古代インド神話において元の名をウッチュシュマ、或いはアグニと呼ばれた炎の神であり、「この世の一切の汚れを焼き尽くす」功徳を持ち、仏教に包括された後も「烈火で不浄を清浄と化す」神力を持つことから、心の浄化はもとより日々の生活のあらゆる現実的な不浄を清める功徳があるとする、幅広い解釈によってあらゆる層の人々に信仰されてきた火の仏である。

烏枢沙摩明王の功徳として特に有名なのは便所の清めであろう。便所は古くから「怨霊や悪魔の出入口」と考える思想があったことから、現実的に不潔な場所であり怨霊の侵入箇所でもあった便所を、烏枢沙摩明王の炎の功徳によって清浄な場所に変えるという信仰が広まり今に伝わっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%83%8F%E6%9E%A2%E6%B2%99%E6%91%A9%E6%98%8E%E7%8E%8B
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ということですが、神道にもそれなりのベンジョノカミサマがあって、トイレをきれいにしておけば金運がつくということに一応なっておるわけです。

「相場をやるやつはトイレの掃除をしろ」という話をしたのは大昔で、兜町では隠れたセオリーである、なんてことを書いたはず。消してもう残っていないかな。

そーいえば、最近やっておらん。笑。たまにはやりましょう。