可愛そうな現実と、わけのわからぬ政策

派遣労働禁止なんて法律ができるようで、引越し業者などがあわてているようであります。

これはたぶん悪法の典型になるでしょうね。ものすごい対症療法ですから、根本的な解決にはならない。負のスパイラルがいっそう増幅するだけでしょう。

正社員と言いながら、まともな結婚もできない薄給で、いい年をしたおっさんを雇っている会社もある。腐るほどある。でもワーキング・プアみたいな報道についつい踊らされるのはアタマの悪い政治家や官僚の悪い癖でしょう。

私は勤めていた会社の関連企業の給料レベルを調査したことがある。企画屋ですから、結構何でもありだった頃。私の名刺を見せたら相手はひれ伏す、わけはないですが、まあそれなりに力はあったわけであります。

で、調査なんですが。これは普通では出てこないデータ。ある人のちょっとした発言がヒントになって、データを集められた。労働組合? そんなもんはクソの役にも立ちません。これは断言できます。

結果ですか。愕然とした、とだけ言っておきます。これは20年くらい前の話です。つまり構造が元々あって、それがたまたま派遣の話になったに過ぎない。根は深いですから、永遠のいたちごっこになるでしょう。

鎌田慧が描いた「自動車絶望工場」はいわゆる期間工の話ですが、重労働だと言うなら正社員も同じ重労働をしている。これは慣れというファクターも大きいので、鎌田サンの批判はかなり的外れ。批判するのはいいのですが、これは期間工で入ったやつの限界でしょう。負け犬では大きな批判ができないからね。トヨタのやつとは結構喧嘩したので、結構色々知ってはいるが、書く気もない。