人を死地に追いやる思想

言論が人を死地に追いやる現実をいくつも見てきた私としては、ちと琴線に響くネタがあった。渡部亮次郎さんの「頂門の一針」なんですが。最近あった平井修一さんの、書き込み:
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平成19(2007)年05月17日(木)
無知と無恥:平井修一

「頂門の一針」802号の主宰者:渡部亮次郎氏の話に、

<30年ぐらい昔、東京にある米ソ両国大使館がそろって改築になったと
き関係者から聞いた話。引き込み電話線をソ連はコンクリートで固める。
外部の盗聴工作が不能のようにするため。ところがアメリカは敢えて裸
線にする。盗聴工作されてもすぐ分るように、と。米ソの価値観の違い、
という話だが、何か示唆に富んだ話では無いか>とあった。

これはすごい話である。小生は東京・狸穴(まみあな)のソ連大使館に
1980年ごろパーティーに招待されて初めて行った。取材目的やら酒、料
理は覚えていないが、板敷きのフロアが鏡のように輝いていたことと、
べらぼうに天井が高く、宮殿としか言いようがなかったことだけは鮮明
に覚えている。エカテリーナ女王やらニコライ3世がお出ましになっても
まったく違和感のない空間であった。

「ああ、ソ連とは帝政ロシアの延長なんだね、ニコライに代わって共産
党王朝になっただけなんだなあ」と納得したが、その線で今のロシアを
見れば「プーチンKGB帝国」である。

敵か味方か、軍門に降るか逆らうかの二者択一で、徹底的に自国の子分
をコンクリート=石ならぬ長城(石油・天然ガスパイプライン)で囲い
込もうとしている。

旧ソ連の国々にとっては、ソ連の悪夢は未だに続いている。日本はアメ
リカに首根っこと急所を握られているが、反米諸国と仲良くしておけと
は言わぬまでも、反ソ連(反ロシア)諸国や反中共諸国、さらにはイス
ラム教諸国やら、日露戦争で日本に軍資金を貸してくれたユダヤの民と
ある程度「よしみ」を通じていることは、意外に大事なのではないかな、
と思う。

「近攻遠交」というのは外交の基本だと孫子の兵法にあると聞く。ロシ
ア、中共南北朝鮮は「前門の虎」、アメリカはいつ後ろから刺しかね
ないから「後門の虎」である。

獅子身中の虫」は鳩山や菅直人社民党共産党、朝日、毎日、共同、
電通あたりか。電通は金で転ぶ(志操がない)からいいが、そうはいか
ない勢力は多い。イデオロギーから離れたら食えなくなる連中は多いの
である。

食うための左翼というのは、論争で負けるわけにはいかない。生活とプ
ライドがかかっているから、「いやあ、私が言っていたことは間違って
いました」とは絶対言わない、言えるはずもない。赤旗を降ろすわけに
はいかないから、バカなことを死ぬまで言い続けるのである。

「なに言ってやがるんだ、一升瓶の火炎瓶を投げたお前はどうなんだよ、
ばかやろう」とお叱りを受けるだろう。それに対しては、「小生はきっ
ちり下獄しました、10年間裁判をしました、納得したかどうかは別にし
て判決を受け入れました、それ以上の責任をどう取れと言うのか」と言
う他はない。過激派だ、戦犯だとまだ言うか。

小生の無知を責めるのか。無知といわれれば無知である。しかし、日教
組やら朝日、岩波、社会党共産党のの責任、彼らの無知と無恥は不問
なのか。戦争が終わっても小生のような兵隊は20代の10年間を裁判に追
われた。煽りに煽った日教組、朝日、岩波、土井たか子、村山、菅、鳩、
ミズホは「お咎めなし」か。

以上、誰も言わないから恥を忍んで報告させていただく。

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扇動者は、言論の自由を盾にすれば免責ですが、実行者はそうはいかない。扇動に乗ったやつが一番ひどい目に遭う。

これは今も昔も全く変わっていない。

戦前にさんざん戦争を煽った朝日新聞など、敗戦になるところっと「一億総懺悔」なんて言い出す。正確に言えば:

昭和20年8月15日:国体の護持を強調する社説
昭和20年8月23日:一億総懺悔論

で、以後GHQの走狗となって:

昭和21年5月3日:東京裁判判決を絶賛しはじめる、などと、態度を見事に変えてしまうのはさすがであります。

声の大きい、影響のありそうな言論はえてして怪しい。まともに真に受けた人々の先にあるのは死地であって、これは戦前も戦後も同じ。朝日新聞など、自分は安全地帯にいながら、人を死地に追いやる言論をはき続けている点では、全く変わっていない。

個人的な話ですが、企画屋をやっていたとき、結構似たような発想のやつがいたものです。「こうあらねばならぬ」「俺の考えがわからないのは馬鹿だ」なんてのがいて、まあ、本人が結構優秀だったりするのでたちが悪い。「それは結局、企業を死地に追いやる思想だ」というと喧嘩になるので、結構苦労したり。あはは。